先達はあらまほしきことなり

デジタルテクノロジーの活用と展望

脱属人化

属人化=悪ではない

属人化は完全になくすことはできない。なぜなら、まだ前例やお手本のないビジネスに挑むときは、その人が第一人者であり、その人オリジナルの手順で業務を作り上げるしかないというケースがあるからだ。他にも属人化で仕事をこなすしかないケースは多々ある。

全体最適化の中での見直し

生産性向上のため、連携する複数の業務の最適化を計る場合、ブラックボックス化している属人化業務を見える化し、標準化する必要が出てくる。標準化とは、誰でもできるようにすることや、他業務との連携性を高めることだ。

いつかは全体最適化されることを想定しておく

私はシステム開発者として、属人化している業務の標準化作業を手伝ってきた。多くのケースで、ムダが発見される。属人化している業務の担当者には罪はない。その担当者は一所懸命にその業務をこなすことに尽力してきたわけだから。しかし残念ながら、その担当者の創意工夫の中には、全体最適化の視点からするとムダな作業が少なからずある。ちょっと視野を広げて、その業務の前後で連携している業務を含めて見直せば、もっと効率的な方法をとれたはずの作業がある。

適切なタイミングを見逃さない

というように、属人化は必ずしも悪ではないが、あまりにも長期間放置しておくと、いざ全体最適化する場合に、その業務を他の業務とスムーズに連携するように作り替えるのに手がかかる。これからの時代、ますますデジタル化、システム化が進む。進めたもの(人・企業)だけが生き残っていくと言った方が正確かもしれない。チームや組織としては、属人化業務を放置しすぎないで適切なタイミングで連携業務とのシームレスな環境を整えていくことが重要になる。