先達はあらまほしきことなり

デジタルテクノロジーの活用と展望

Officeの機能をシームレスに利用できるVBA

連携していないアプリケーションは手動作業の多くが残る

お客様情報と購入商品と支払い方法などを入力すればボタン1つで注文書を作成するExcelツールがあるとする。お客様情報はあらかじめマスタ情報としてシートに設定しておけば、注文書発行のたびに一から入力する必要はなく、選択するだけだ。商品情報もあらかじめマスタ情報としてシートに設定しておけば、選択するだけで済ますことができる。このExcelツールは特に問題ない。別に在庫管理ツールをExcelで開発する場合、在庫管理のExcelツールにも商品情報が必要だ。商品情報を注文書作成のExcelツールから手動でコピペしてくる必要がある。商品情報を追加・変更する場合、2つのExcelツールの商品マスタに追加・変更する必要がある。できれば1回で済ませたい。Excelツールがコピーされて使われる場合、すべてのExcelツールの商品マスタを手動で最新化する作業が発生することになる。

システムは複数のアプリケーションで構成される

上記のような問題が起こらないようにするためには、アプリケーションを分離させた上で、連携するという手法をとる。複数のExcelツールで利用するマスタ情報はマスタ情報だけを管理する別のツールで一元管理する。マスタ情報は別のExcelツールで一元管理するとする。注文書作成ツールや在庫管理ツールはマスタ情報管理ツールを参照するようにする。マスタ情報に追加・変更がある場合はマスタ情報管理ツールのみを操作すればよい。

AccessExcelの連携が基本

Excelツールでマスタ情報を管理することはできるが、データの保管場所ではAccessを利用した方がよい。Excelはデータが多くなると処理速度が遅くなる。Accessでは大量のデータを扱うことが得意だ。データはAccessで一元管理し、データを参照・集計して帳票を作成するのはExcelで行うとよい。大量のデータを扱う業務の場合はAccessの画面からExcelを裏で起動して帳票を作成させるという連携システムを組むと尚よい。